従来の布は繊維・糸を”織ったり編んだり”して作られています。それに対して不織布は繊維を絡め合わせて作ります。しかし、ただ絡め合わせるだけでは強度が出ないので、繊維同士が接触している部分を何らかの方法でしっかり結合させる必要があります。それが、不織布製造ラインにおける「結合」と呼ばれるプロセスです。これにはさまざまな技術・方法があります。熱で繊維を溶かして結合する、樹脂で接着して結合する、高圧水流で交絡して結合する、等がその主な方法です。繊維の材質や絡め方、結合のさせ方、さらにそれらの組み合わせ方によって、不織布にはさまざまな特徴・性質を付加できます。
実際の不織布の表面です。これは着色された「不織布ふきん」で、食品工場などの現場で数多く使われています。
上記イラストのように、繊維はからまりながら結合(接着)されています。(接着部分をわかりやすくするため黄色で描いています)
不織布の生産ラインは高度なマネジメントを必要とする繊細かつ複雑なものですが、工程そのものは織布と比較してシンプルです。すなわち不織布が短納期、大量生産に向いている素材であることが最大の特長です。また、素材の特性をコントロールしやすく、加工性にもすぐれていることから、さまざまな分野のニーズを反映しやすく、従来の紙・布製品では困難な特性を付加することも可能です。異なる素材の組み合わせや、さらに製法を工夫することで、不織布はまだまだ進化の余地がある、非常に高い可能性を秘めた素材であるといえます。
不織布製品は主にディスポーザブル用途として、数多くの分野で使用されています。シンワ製品の納入先も、生活・医療・食品・衛生・農業・自動車など多岐に渡るものとなっています。
不織布製品は一般的に布製品に比べて耐久性が低く、したがって洗浄しながら何度も繰り返して使用する製品には向かないと言われてきました。しかし、現在では製造技術の進歩により、高い強度、耐久性を持つ不織布製品も実現できています。
また、トウモロコシなどの植物を原料とした「生分解性不織布」など、環境に配慮した不織布の開発・生産にも積極的に取り組んでいます。
▲ 製品例
シンワが企画・製造・加工までを行うカウンタークロスのラインナップです。
これらの製品は関連会社の東京メディカルより販売されています。
現在注力中のトレンド製品のほか、生活・医療・フードサービス・衛生・産業などの分野でシンワ製品をご紹介しています。