先輩インタビュー|ナノファイバーの持つ大きな可能性を現実の商品として開花させたい。 古味 光紗 2010年入社 商品開発室

取り組み始めて3年目に、やっと商品化を実現。ナノファイバーとともに試行錯誤した、苦しくも充実した日々。

大学院の農学研究科の出身と聞きましたが?

農学研究科でやっていたのはバイオ分野の基礎研究でした。もともと生物が好きだったのですが、植物はまだわかっていないことも多くて、特に面白く感じていました。たとえば豆科の植物は微生物と共生関係を結んでいて、互いに利益を得ながら生きています。微生物は普通、植物にとっては敵なんですが、豆だけはそうではないんです。大学院の研究では、豆科の植物の遺伝子がどのような機能を持ち、どのような働きをしているのかを解析していました。本当に面白い研究だったと思います。

なぜシンワに入社を?

大学院での研究は専門的すぎて仕事にそのまま活かせるとは考えていませんでした。しかし、少し範囲を広げてでも理系の仕事には就きたいとは思っていて、工場をたくさん持っている会社を中心にアタックしていました。就活では大阪に月の半分くらい行って活動していたのですが、ふとしたきっかけで、地元の新居浜市に近いところにもそんな会社があることを知りました。それがシンワでした。会社訪問してみると、社長自らが説明に立っていて、まずそれに驚きました。他の会社ではそんなことはなかったので。その時に感じた不織布の可能性の大きさが入社の動機になったと思います。それと、会社の雰囲気もとても親しみやすく感じました。このあたりは、みんな同じように感じるらしいですが。(笑)


入社後は、はじめから商品開発の仕事に?

商品開発室に配属されました。最初の1年はいろいろな先輩たちについて、基礎的な知識を学びました。2年目になって、新しい不織布の分野である「ナノファイバー」の担当を命じられました。シンワの不織布はさまざまな技術で製造されているのですが、ナノファイバーは従来の技術とはまったく異なる方法で製造するもので、私が入社する1年前くらいから取り組み始めていたものです。その専任者になりました。

具体的にはどのような仕事をしていたのですか?

ナノファイバーを製造する機械もラボ機でしたから、それを使ってともかく試行錯誤する毎日でした。ナノファイバーは樹脂が素材の超極細の繊維ですが、どんな樹脂を、どんな濃度で、どんな条件で作れば繊維化し、シートになるのか、そのレベルです。まるで学生時代の実験のようでした。ナノファイバーを使用した製品というものが、他社も含めてまだほとんど世に出ていない頃だったので、出来上がりの状態すらわからないという…(笑)。新人で、不織布のことすらよくわかっていないのに、自由にやらせていただいていました。でも、検討項目が多すぎてなかなか効率的に作業が進まないことばかりでした。

ナノファイバーはどんな用途を想定していたのですか?

いや、それもわからなくて(笑)。商品開発は、お客さまのニーズがベースになる場合と、何に使えるかわからないけれど、新しい機能の開発がベースになる場合の2通りがありますが、ナノファイバーの開発は典型的な後者です。ナノファイバーで作った不織布は、とても細い繊維で作りますから、フィルムのように薄くてやわらかく、そして、通気性も備えた素材にできます。試行錯誤しながらどうにかサンプルの素材ができると営業部に持ち込んで、使っていただけそうなお客さまに紹介してもらうのです。当初は、お客さまの反応もあまり返ってこなくて、かなり不安な感じでした。

イケルかな、と思ったのは?

2013年、ナノファイバーの担当になって2年目くらいの時です。サンプルをテストしていたお客さまの1社からやっとオファーがいただけました。その頃は、私より2年遅れて入社した後輩の南との2名体制になっていて、喜び合いました。その後、正式に製品として出荷されたのが2014年のこと。担当になって3年目にやっと売上につなげることができて、正直ホッとしました。その後、他のお客さまとのサンプルのやり取りが増えてきて、現在はサンプル作製で忙しい日々が続いています。

ナノファイバーの今後は?

ノウハウも確立できつつあり、現在、用途の拡大を目指しています。美容や医療分野、さらにはフィルター分野など、ナノファイバーの特性が活かせる分野の製品としてもっともっと伸ばしていければと考えています。扱える樹脂も増え、また、抗菌性などの機能性を持たせることもできますし、繊維として細く表面積が大きいので機能を発揮させやすい、とても可能性に満ちた素材です。また、個人的には、ずっとナノファイバーだけをやってきましたが、そのノウハウを従来の不織布に応用するような仕事も現在やりはじめています。さらに付加価値の高い製品を生産していけるメーカーになるために、私も微力ながら貢献できればうれしいと思っています。


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仕事紹介

商品開発

不織布は素材や繊維同士の結合のさせ方で、さまざまな機能・性質を持たせられる非常に柔軟な素材です。その素材特性を利用し、お客さまのニーズに合致した商品を開発していくのが商品開発の仕事です。